今年もカイコの飼育に取り組まれた地元の小学校が、自分たちで育てた繭を使って糸繰りなどに挑戦しています。
【糸繰りをしよう!】手順として、まずどんな作品をつくるのかを決めてから準備に取り掛かります。糸繰り講座ではガラスコップで鉛筆立て、ペットボトルでランプシェードなど。繭の出来栄えによって学校やクラス単位で一様ではありません。出前講座の当日は、繭のこと、煮繭(しゃけん)のこと、糸の長さ、糸口の出し方、道具の使い方・・・そして実践。通常は2人で糸繰り器1台、そして繭をシェアします。歯ブラシなどを使って2人で糸口を出し、道具を押さえながらハンドルを回す係と糸を操る係に分担します。授業の前半と後半で交代し、最後は蛹が出るまでを目標にして糸を繰りとります。
【真綿作りをしよう!】この講座はまだ試験中です。リサイクルショップで安く手に入れた額縁を再利用した「代用真綿枠」を手作りし、1人1台ずつ使えるようにしています。重曹でよく煮た繭を指先でつんつん叩きながら繭むきを行います。繭層をほぐし、繭の薄いところを破って親指と人差し指を入れながらひっくり返し、中の蛹と脱皮殻を上手に取り除きながら四方向に引き伸ばして枠へかけるという方法で試しています。本来なら繭を4つ以上重ねてから引き伸ばしますが、ほぼ片手で繭むきを小学生が出来るかしらと不安なのです。乾燥させた後の使い道によっては、それほどこだわらなくても良い気がしています。「糸とり1年、真綿かけ3年」それなりに難しいわけですからね。
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昨日は市立中沢小学校1年生のお手伝いをさせていただきました。この学校では1、2時間目=糸繰り(講師:細田染織)、3時間目=真綿作り(講師:学芸員)を計画しました。糸繰りと真綿作りを同日に、しかも1年生。正直なところ完成までサポートできるか心配でしたが、さすが!!講師の説明を良く聞いて、始終1年生なりに実践できました。前述のとおり真綿作りは試験中でしたが、1年生に試験台になってもらったおかげで改善策を見つけることが出来ました。真綿はクリスマスリースの材料として使われるそうです。乾燥後、解してフワフワになれば成功ですね。思い返せば糸繰り体験も4年前に始めた当初は、学芸員が器械を何台も試作したものを体験工房の講師と共に改良に改良を重ね、ようやくスムーズに出来るようになった講座です。そういうわけで真綿作り講座は次回、また質が上がると思われます。中沢小学校の1年生の皆さん、とにかくありがとうございました!