昼夜の気温差が急に激しくなってまいりました。ただ今5齢2日目になった交雑種のカイコは「蚕やしないどころ」へ移し、石油ストーブで温度管理を行っています。今年初めて見るストーブの炎。中央アルプス駒ケ岳も色付きはじめ、段々と冬の気配を感じるこのごろです。
桑園の桑葉が硬くなりだしました。交雑種の飼育は今回で3回目になりますが、桑での飼育はこれでお終いになります。今後は展示用として人工飼料で飼い続けます。今季のカイコは「晩晩秋蚕(ばんばんしゅうさん」といわれますが、昔はこの後「初冬蚕(しょとうさん)」まで飼育されることもあったとか。とにかくこれからの季節は防寒と餌となる桑を貯桑するなど、リスクが高い飼育といえます。
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ストーブを入れて室内20度。
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晩晩秋蚕(3000頭程度)。
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サーモメーターを設置中の関館長。
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5齢蚕。
ところで、現在の館長主導でカイコを飼いだして6年目になります。この春に収穫した繭を初めて「生糸」にすることができました。ふだん乾繭(かんけん:殺蛹)を依頼している岡谷市の(株)宮坂製糸所へ相談したところ、いつもよりも質の良い繭ということで「生繰り(生繭を手挽きする)」の生糸を挽いていただくことができました。量としては1㎏強と少ない糸ですが、着物1反は作れる量です。今後はまゆクラフト等の体験材料として消費するばかりでなく、織物にも挑戦したいミュージアムです。(竹内)
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満面の笑みを浮かべる関館長。
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