かつて生糸が国の輸出産業の花形だった明治から昭和初期ころ、伊那谷の養蚕も農家の経済を支える大きな柱でした。あの小さな虫が「お蚕様」と呼ばれ、屋内養蚕で大切に育てられました。蚕期に入ると畳をあげて棚をつくり、蚕箔にのせて、立体的に飼育されました。屋内養蚕ということから蚕糞の片付けも毎日行わなければなりませんでした。暗くなると蚕が桑を食べる時の「さわさわ」とした音を聞きながら床に就き、蚕が繭をつくった後の収繭作業も、家族総出で一粒一粒手で蔟から集めたといわれています。
展示内容
明治から昭和20年代までの伊那谷における養蚕農家の復元
- 農家の蚕神信仰や養蚕農家の暮らし
シルクの始まり・日本のシルク文化
- 中国から始まったシルクの起源、ヨーロッパへ伝播した
- 養蚕技術の始まり等の歴史
皇室のご養蚕
- 皇室の紅葉山御養蚕所で皇后様が養蚕されるご様子