駒ヶ根シルクミュージアムについて
諏訪湖から流れ出る天竜川の流れに沿って南北に広がる信州伊那谷。西に中央アルプス、東に南アルプスと3,000m級の山々に囲まれた絶景を望む地。長野県駒ヶ根市に駒ヶ根シルクミュージアムはあります。
平成9年(1997)、伊那谷の養蚕・製糸業を担い、長い歴史を刻んできた組合製糸「龍水社」が幕を下ろすことになりました。駒ヶ根市は関係者より「今までの歴史・遺産を何らかの形で後世に伝承するための記念館を建設したい」との提案を受け、伊那谷の産業を支えてきた龍水社と上伊那社の歴史と、この地域の養蚕の文化を後世に残す義務があると考え、龍水社、上伊那社、JA上伊那をはじめ、国・県・地権者・高遠町(現伊那市)・長谷村(現伊那市)・大鹿村などの協力をいただき、建設を実現。駒ヶ根市の管理の下、養蚕文化の歴史の伝承、生涯学習、都市と農村の交流拠点を有した広域総合交流促進施設として平成14年4月27日、駒ヶ根市東伊那にオープンしました。
館長挨拶
2023年4月から館長をお引き受けすることになりました伴野豊と申します。
当館は平成14年(2002年)4月に開館し、20年余の歴史を刻んできました。駒ヶ根市には全国的に知られた組合製糸「龍水社」が生糸の生産を行い、伊那谷地域の暮らしに大きな影響を与えて来ました。
当館ではその歴史を伝えると共に、繊維の女王と称されるシルクの魅力、文化等を紹介する展示を行っています。
当館の展示では、シルクを作り出す生きたカイコ、繭からの生糸(シルク)作り、織りに関する一連の流れを見た上で、体験できることが一つの魅力となっています。
エントランスで皆様をお迎えする日本各地の紬の反物のトンネルは皆様を魅了することでしょう。展示品の見学後は、是非シルクでコースターを作成したり、シルク地に染色をしたりする体験コーナーに挑戦してください。
体験コースは人気がありますので、団体でお越しの場合はご予約を宜しくお願いします。
私自身は九州大学でカイコの遺伝研究に長年関わってきましたが、桑・カイコを育て、織物を作る一連の作業は日本の風土にあった営みであると感じています。
20年余の歴史のなかで培ってきた当館の実績、成果とその基本的な考え方を受け継ぎながら、館員の皆さんと相携えつつ、いっそうの発展を図っていきたいと考えております。
どうか、これまでと同様、皆さま方のお力添えをお願い申し上げます。
2023年4月1日
駒ヶ根シルクミュージアム館長 伴野 豊
運営スタッフ
- 顧 問 農学博士 関 宏夫
- 館 長 九州大学名誉教授 農学博士 伴野 豊
- スタッフ 滝沢・平澤・唐澤・飯島 (有)細田染織 桑の実の会 機織りサークル