お知らせ

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「透明皮膚を持つカイコは5齢へ」

 

先月、9月26日に展示中の4齢のカイコの中に「透明な皮膚を持つ」珍しいカイコを発見したことをお知らせしました。

10月2日には無事、5齢になり、本日(6日)も桑を旺盛に食べていました。

この変わったカイコの性質が遺伝するかは、この幼虫を育て、成虫にして交配させ、子供、孫世代のカイコの観察が必要とお伝えしました。

その点を少し説明します。

変異体は、体細胞突然変異と遺伝子変異の2つに分けられます。

体細胞突然変異は変異形質が体細胞でのみ起きており、次世代には遺伝しません。

しかし、生殖細胞(精子、卵)でも変異が起きていると遺伝する可能性が強くなります。

そこで、本個体がメスであれば普通の形質を持つオスと、オスであれば正常な形質を持つメスと交配させて、次代(子供)次々世代(孫)の幼虫の形質を調べます。遺伝していれば、透明皮膚を持つカイコが出現することになります。

まだ、珍しいカイコを見ていない方は、是非お早めにお出かけください。

 

 

 

 

 

 

 

【写真の説明】
透明皮膚を持つカイコは5齢になりました。

 

【今後の計画】
1、10月11日頃上蔟(繭作り)、10月26日ごろ成虫が羽化
2、変異体を発見したカイコと同じ親から生まれたカイコを飼育しています。そのカイコは正常な形質を持っていますので、そのカイコに交配を行います。
3、10月27日頃産卵予定。
4、休眠卵にして、来年春に飼育し、変異形質の有無を調査。もし、顕性性質であれば写真のような変異体が分離。想像としては現れないでしょう。理由は多くのカイコの透明皮膚を持つ変異は潜性遺伝であるので。
5、来春に飼育し成虫にした個体(上の4のカイコですが)を交配。卵を得て、孫世代の形質調査。
6、その後のことはまたお知らせします。